2021年12月21日火曜日

赤い鳥 第1巻第3号

赤い鳥1巻第3号 大正7年(1918) 9月

目次

   「赤い鳥」第一巻第三号
  月の出(表紙、石版刷) 清水良雄
  赤蜻蛉(口絵、三色版) 清水良雄
まる木橋(創作童謡)2-3 北原白秋
魔法の魚(童話)4-17 鈴木三重吉
鼻きゝ源兵衛(童話)18-29 森田草平
空樽(絵話)30-31 小山内薫
蛙の王女(童話)32-39 佐藤春夫
忘れた薔薇(創作童謡)40-41 西條八十
黒い小鳥(童話)42-47 小島政二郎
お猿の剣術(童話)44-49 鈴木善太郎
罠(童話)46-47 丹野てい子
赤い花(推称創作童謡)50-51 小川忠之助
目白(推称創作童謡)50-51 亘理しづ子
虹(創作童謡)31-37 亘理しづ子 小川忠之助 平井泰太郎 大島青葩 藤岡貞子 小野三好 金井津根吉 高橋紅柿
小さなお馬(入選創作童話)52‐57 小川忠之助
雨(創作童謡)58-59 北原白秋
湖水の女(童話)60-69 鈴木三重吉
金魚(綴り方)70-79 小倉ます 小池千代子  森島孝 樋口こう  小野筆子 北田金治 平林幸太郎 牧野豊子 内田昌男 尾島晃子 長谷川巌 末永正郎 福岡三之助 某 女
通信 76-79
賛助読者名簿(一)76-79
社告 80
   さし絵、飾り絵 清水良雄
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照

凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。
 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話に国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
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赤い鳥01.03p04-17童話『魔法の魚』鈴木三重吉
赤い鳥01.04p06-22童話『魔法の魚』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集04.04『魔法の魚』(ロシア)
 
[類話]:
この話は、「Type 673」と「Type 531」が組み合わされている。

Type 673 白蛇の肉
グリム金田19『白へび』17
THE WHITE SNAKE 外部リンク
THE GREEN FAIRY BOOK By Various Edited by Andrew Lang
 
Type 531 実ありフェルナードと実なしフェルナード。
グリム金田141『実意ありフェレナンドと実意なしフェレナンド』126
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赤い鳥01.03p18-29童話『鼻きゝ源兵衛』森田草平
 
[同話]: 
袖珍落語集『鼻きゝ源兵衛』 磯部甲陽堂 大正2  外部リンク
日本昔話通観16-359『鼻かぎ名人』小澤俊夫 稲田 浩二 同朋舎出版
 
[類話]:
赤い鳥12.03p26-33『にせ名人』宮原晃一郎
Type 1641 何でも知っている医者
 
[備考]:
赤い鳥01.05p75-76『通信』
 第三号の森田先生の話の如きは、子供に悪感化を及ぼしはしまいかと思ひますがどうでせう。私は「赤い鳥」の健全な発達を自分のことのやうに喜んでゐます。(岐阜県益田小坂町、大江錦舟)
   □
・・・森田氏の「鼻きゝ源兵衛」は面白い読み物ではございますが、すべてが余りに偶然的で、若し運命といふものがあのやうに旨く運ぶものなら、努力ともいらないといふやうな感じを子供に与へはしますまいか。(金沢、服部千代)
   □
・・・「鼻きゝ源兵衛」に就いては岐阜の大江君からも同じやうな御意見を聞きましたが、森田先生も大変いゝ参考になつたと言つて喜んでいらつしやいます。(記者)
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赤い鳥01.03p30-31絵話『空樽』小山内薫
 
[参考]:
賢人ダイオゲネスの話 外部リンク
家庭物語 松本雲舟 著 婦人之友社 大正2
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赤い鳥01.03p32-39童話『蛙の王女』佐藤春夫
注:佐藤の話は、後半が省略されているものと思われる。
 
[同話] :
THE WISE PRINCESS (A RUSSIAN STORY) 外部リンク
The Blue Rose Fairy Book BY MAURICE BARING
NEW YORK DODD, MEAD AND COMPANY 1911
蛙姫 世界童話集. 西洋の巻 榎本秋村  実業之日本社 大正7 外部リンク (後半省略)
蛙姫 露西亜童話集 秋田雨雀 訳 矢野博信書房 大正10 外部リンク (完結)
ロシア民話集下p247『蛙の王女』 アファナーシエフ 中村喜和 編訳 岩波文庫
Type 402 ネズミ(ネコ、カエル、etc)のお嫁さん。
 
[類話]:
蛙姫 独逸童話集 グリム原著 橋本青雨 訳 外部リンク 
(グリムではない。下記のイタリアの話に近い)
The Frog (From the Italian.)   外部リンク
THE VIOLET FAIRY BOOK By Various Edited By Andrew Lang  
グリム金田69『三枚の鳥のはね』63
赤い鳥02.02『お人形さん』p46-49[下段]  南部修太郎 

[備考]:
赤い鳥01.05p77『通信』
 佐藤春夫氏の「蛙の王女」を面白く拝見しました。あの話の原書を御示教願ひます。(高松、加藤鳴海)
   □
 あれは Grimm の Fairy Tales の中にある話です。(記者)

注:グリム童話にはこの話はない
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赤い鳥01.03p42-47童話『黒い小鳥』小島政二郎
 
[出典]
The Little Black-bird  外部リンク
Indian Folk Tales: Being Side-lights on Village Life in Bilaspore, Central Provinces by E. M. Gordon (1908)(1909)
Type 2034D 鳥の豆が、臼の取っ手の差込に入り込む。
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赤い鳥01.03p44-49童話『お猿の剣術』鈴木善太郎
 
[参考]:(猿が柿につられて負けるというモチーフ)
Type 1559A* イカサマの賭け。
Type 217=J1908.1  猫とロウソク
妖怪鈴耳 シャルマン物語 (ヒトーパデーシャ) 外部リンク
イソップ寓話集 タウンゼント151『踊る猿』

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赤い鳥01.03p46-47下段童話『罠』丹野てい子
鈴木三重吉童話全集02.36『お日さま』(北米土人)
 
[出典]:
WHEN SUN WAS SNARED 外部リンク
Myths and legends of British North America, selected and ed. by Katharine Berry Judson. Chicago, A. C. McClurg & co., 1917.
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赤い鳥01.03p60-69童話『湖水の女』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集02.05『湖水の女』(ウエイルス)

[出典]:
The Lady of the Lake.  外部リンク
The Welsh fairy-book.By W. Jenkyn Thomas ; with one hundred illustrations by Willy Pogány.T.Fisher Unwin, [1907]