2021年12月28日火曜日

赤い鳥 第2巻第1号

赤い鳥 第2巻第1号 大正8年(1919)1月

目次
赤い鳥 第2巻第1号 大正8年(1919)1月

   「赤い鳥 第二巻第一号」
  孔雀(表紙、石版刷) 清水良雄
  青い海(口絵、三版) 鈴木淳
かぜひき雀(創作童謡)2-3 北原白秋
ゼメリイの馬鹿(長篇童話)4-21 鈴木三重吉
犬と笛(創作童話)22-27 芥川龍之介
かたき討(絵話)28-29 小山内薫
唐傘(童話)30-35 徳田秋聲
手品(創作童謡)36-37 西條八十
欲ばり猫(童話)38-39 鈴木三重吉
龍のほりもの(童話)40-43 小島政二郎
雪娘(童話)44-49 三宅周太郎
宝船(創作童謡)30-35[上段] 北原白秋選 
 杉浦冷石 勢喜相祐 浅川春村 小川忠之助 詩啓緒 佐藤恋 小島作次郎 木村好 青木篤二
卵(推奨創作童謡)50-51 山田彦一郎
白鷺(手毬歌)52-59 小島政二郎選
マッチ売の娘(童話)52-59 小宮豊隆
おやすみ(創作童謡)60-61 三木露風
烏の着物(童話)64-65 南部修太郎
熊(創作童話)62-67 久米正雄
からす(入選綴方)68-73 鈴木三重吉選 
 藤島祐二 津島はるえ 押田巌 長尾芳衛[長尾芳兵衛]  福田源一郎 甘粕周市 武田倉吉 吉田忠造 幾右田健一 加藤徳好 酒井忠弘 三輪照夫 岡田宗三郎 山本節 半田省三 山本秀夫 白神幾久代
少年少女 74-75
通信 76-79
賛助読者名簿 76-79
社告 80
   さし絵、飾り絵 鈴木淳
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照
 
凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。
 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
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赤い鳥02.01p4-21長篇童話『ゼメリイの馬鹿』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集01.03『ゼメリイの馬鹿』(ロシア)
 
[出典]:
Emelyan the Fool  外部リンク
FOLK-LORE AND LEGENDS RUSSIAN AND POLISH W. W. GIBBINGS
18 BURY ST., LONDON, W.C. 1890

ロシア民話集上p318『かますの命令により』アファナーシェフ 中村喜和編訳 岩波文庫
Type675 怠け者の少年 
 
[類話]:
グリム金田060『ハンスばか』
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赤い鳥02.01p22-27創作童話『犬と笛』芥川龍之介
赤い鳥02.02p56-63創作童話『犬と笛』芥川龍之介 

犬と笛  外部リンク 
少年文庫 2 蜘蛛の糸 春陽堂 昭和7

[類話]:
THE THREE DOGS.  外部リンク
FOLK-LORE AND LEGENDS SCANDINAVIAN W. W. GIBBINGS
18 BURY ST., LONDON, W.C. 1890

THE THREE DOGS  外部リンク
THE GREEN FAIRY BOOK By Various Edited by Andrew Lang
[Grimm となっているが誤り]

Type 300 竜殺し。お姫さまの救出。
 
[備考]:
赤い鳥01.06p76『通信』
 「赤い鳥」には外国物の取材が多いやうですが、もつと日本固有のものをお取り扱ひ下さいましたら、子供の頭にもまた別の感じを受けはしないかと思ひます。どうか日本固有の童話建設のために御努力下さることをお願ひいたします(相模国、国府津、一読者)
   □
 取材の配合には、いつも苦心をしてゐるつもりですが、なか/\思ふやうにまゐりません。そのうち追々理想を実現してゆく覚悟でをります。さしづめ、次号に芥川龍之介先生の「犬と笛」と題する日本に材料を取つた創作を発表します(一記者)

注:赤い鳥の1巻6号が出される段階で、すでに「犬と笛」は完成していたと言えます。
 
赤い鳥01.06p78『通信』
 一回読切や二回ぐらゐの読物でなく、もつと長い読物を盛んに載せて下さい。(東京都麹町、柴田馨)
   □
 承知致しました。現に連載中の「龍のほりもの」はこれから一年ぐらい続く予定です。なほ、芥川、有島、鈴木の諸先生へも長編の執筆を御依頼してありますから、そのうちだん/\にお目に掛けられることゝ信じます。(記者)

注:この後、芥川も有島も、3回以上の長編を赤い鳥には書いていません。つまり長編の依頼はなされてはいても、まだ、目鼻はついてなかったと言えます。
 
[参考文献]:
芥川龍之介「犬と笛の典拠について」

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赤い鳥02.01p30-35下段童話『唐傘』徳田秋聲

[同話]:
末広[すえひろがり] 狂言 外部リンク
狂言評註 大和田建樹 著 博文館 明26.4
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赤い鳥02.01p38-39童話『慾ばり猫』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集01.22『慾ばり猫』(ノウルウエイ・アスビヨルンセン作)

[出典]:
THE DEATH OF CHANTICLEER, AND THE GREEDY CAT. 外部リンク
TALES FROM THE FJELD.
A SECOND SERIES OF POPULAR TALES, FROM THE NORSE OF
P. Chr. ASBJÖRNSEN. BY G. W. DASENT, D.C.L.
AUTHOR OF "TALES FROM THE NORSE," "ANNALS OF AN EVENTFUL LIFE," ETC.
LONDON: CHAPMAN & HALL, 193, PICCADILLY. 1874.

[類話]:
赤い鳥09.03p6-11『おなかの皮』(童話)鈴木三重吉
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赤い鳥01.04p30-37童話『龍のほりもの』小島政二郎
赤い鳥01.05p30-37童話『龍のほりもの』小島政二郎
赤い鳥01.06p36-41童話『龍のほりもの』小島政二郎
赤い鳥02.01p40-43童話『龍のほりもの』小島政二郎
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赤い鳥02.01p44-49童話『雪娘』三宅周太郎
 
[出典]:
THE SNOW-DAUGHTER AND THE FIRE-SON  外部リンク
[From the Bukowinaer Tales and Legends. Von Wliolocki. ]
THE YELLOW FAIRY BOOK By Various Edited By Andrew Lang  
 
[備考]:
赤い鳥02.06『通信』p78
 創作童話と共に外国の童話の訳も募集されたら如何でせう。例へば三宅周太郎氏や丹野てい子氏が訳された "The Snow-daughter and the Fire-son" 又は "The Glass Mountain" の如くに訳出すれば非常に面白いと思ひます。(東京、A生)
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赤い鳥02.01p52-59童話『マッチ売の娘』小宮豊隆

[同話]:
鈴木三重吉童話全集04.22『マッチ売の少女』(デンマーク、アンデルセン作)
アンデルセン童話集『まっち賣りの少女』 鈴木三重吉 訳 アルス 昭和2 外部リンク
注:小宮訳とは別訳
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赤い鳥02.01p64-65下段童話『烏の着物』南部修太郎
鈴木三重吉童話全集04.35『からすの着物』(北米土人)

[出典]:
THE OWL AND THE RAVEN 外部リンク
Nature myths of many lands by Florence V. Farmer.
New York : American Book Co., c1910.
 
[類話]:
日本昔話通観480『ふくろう紺屋』小澤俊夫 稲田 浩二 同朋舎出版
 
ふくろうとからす 外部リンク
こぼうしのすもう : 日本昔話2 磯部忠雄 著[他] 小峰書店 昭和24 
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赤い鳥02.01p62-67創作童話『熊』 久米正雄

くま 久米正雄  外部リンク
日本童話名作選集 白鳥の国 坪田譲治 等編 三十書房 昭和25(1950) 
 
注:校正ミス p65「もう一つ、これはある牧場の男から聞いた、熊と牝牛との喧嘩のお話をいたしませう。」 [牝牛][牡牛]の誤り。

[類話]:
A bear-and-bull fight on the range,1849. The "observer" was J.Ross Browne, Secretary of the California Constaurtional Convention later the same year. 
California Grizzly

 
 
[参考]:
Presence of Mind
A Lady discomfits a bear by punching him in the eye with her parasol, at Runcorn England  The Illustrated Police News, 1877 


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