2022年1月7日金曜日

赤い鳥第2巻第6号

 赤い鳥02.06 大正8年(1919)6月
目次

赤い鳥02.06 大正8年(1919)6月

   「赤い鳥」六月号(第二巻第六号)
しやぼん玉(表紙、石版刷) 清水良雄
鬚なしのをぢさん(口絵、水彩画) 清水良雄
雨(曲譜) 成田為三
 あわて床屋(入選曲譜) 石川養拙
ほうほう蛍(創作童謡) (2-3) 北原白秋
鳩の浮巣(創作童謡) (2-3) 北原白秋
大法螺(童話) (4-13) 鈴木三重吉
一郎次次郎次三郎次(童話) (14-19) 菊池寛
梟の相談(童話) (20-23) 馬場孤蝶
源氏の旗あげ(童話) (24-27) 小島政二郎
小人の地獄(創作童謡) (28-29) 西條八十
草木大合戦(童話) (30-35) 柚利淳一

 子馬(入選創作童謡) (30-35) 北原白秋選
藤本久仁子 平田孤月 石飛渉 白井吉之助 巽よしを 岸隆子 森屋順 河津健三
 子馬(入選創作童謡) (38-41) 北原白秋選
清水束暁 吉田みつる 田中白蝶 宮崎博 阪本牙城子 木村好迩 片山武夫 小山左右太郎 萩野管一 茅上真人

 青い空(推奨創作童謡) (36) 山田藤三
 金の卵(推奨創作童謡) (37) 杉浦冷石
 桜の花(入選創作童話) (38-41) 館内伊佐美
おしやべり(童話) (42-43) 樋口やす子
唐傘のお土産(童話) (44-47) 江口渙
夏の蛍(創作童謡) (48-49) 三木露風
白い鳥の話(童話) (50-55) 久保田万太郎
黒犬(創作童話) (56-61) 久保よりえ
金魚(創作童謡) (62-63) 北原白秋

 かくれんぼ(入選綴方) (64-71) 鈴木三重吉選
瀬川宗吉 牛場信彦 松田良隆 林史郎 大浦雄蔵 松井定雄 川口正 小田生一 妹尾富美子 江田正男 松田正一

 雉うち(入選自作童謡) (66-69) 北原白秋選
杉本一男 山崎和勝 藤本美清 赤城糸三 真壁勝治 山本信治 井上定一 高橋はじめ
  少年少女(72-73) 通信(74-79)
  地方童謡(76-77) 社告(80)
 さし絵、飾り絵 清水良雄 鈴木淳
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照
 
凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。
 
「鈴木三重吉童話全集 文泉堂(1975)」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
鈴木三重吉童話全集については、次を参照
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赤い鳥02.06p4-13『大法螺』(童話)鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集02.06『うそ話』(ロシア)

[出典]:
THE FINEST LIAR IN THE WORLD  (Volksmarchen der Serben.) 外部リンク
THE VIOLET FAIRY BOOK
By Various Edited By Andrew Lang 

[類話]:
Type 1930 のらくらの国。
インド愚者物語38『愚かな牛盗人の話』
カーター・サリット・サーガラ 愚者物語 岩本裕 訳
グリム金田178『のらくらの国のお話』158
グリム金田179『ディトマルシェンのほらばなし』159
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赤い鳥02.04p22-27『一郎次次郎次三郎次』(童話)菊池寛
赤い鳥02.05p42-47『一郎次二郎次三郎次』(童話)菊池寛
赤い鳥02.06p14-19『一郎次次郎次三郎次』(童話)菊池寛
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赤い鳥02.04p42-47『源氏の旗あげ』(童話)小島政二郎
赤い鳥02.05p50-55『源氏の旗あげ』(童話)小島政二郎
赤い鳥02.06p24-27『源氏の旗あげ』(童話) 小島政二郎
赤い鳥03.01p28-33『源氏の旗あげ』(童話)小島政二郎
赤い鳥03.02p48-51『源氏の旗あげ』(童話)小島政次郎
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赤い鳥02.05p28-33『草木大合戦』(童話)柚利淳一
赤い鳥02.06p30-35『草木大合戦』(童話)柚利淳一
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赤い鳥02.06p42-43『おしやべり』(童話)樋口やす子
鈴木三重吉童話全集04.30『おしやべり』(インド)
注:この話は二つの話が組み合わされている。

[同話]
シャルマン物語(ヒトーパデーシャ)
龜と鵞鳥  外部リンク
準備と敏捷となげやりの三魚 外部リンク

パンチャタントラ
不信の龜 外部リンク
三匹の魚 外部リンク

[参考]:
The Wise Tortoise 外部リンク
The Winston readers. Second Reader by Sidney G. Firman and Ethel H. Maltby.
目次に「Aesop」とある。外部リンク
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赤い鳥02.05p14-195童話『唐傘のお土産』江口渙
赤い鳥02.06p44-47童話『唐傘のお土産』江口渙
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赤い鳥02.05p22-27『白い鳥の話』(童話)久保田万太郎
赤い鳥02.06
p50-55『白い鳥の話』(童話)久保田万太郎
赤い鳥03.01p52-55『白い鳥の話』(童話)久保田万太郎
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赤い鳥02.06p56-61『黒犬』(創作童話)久保よりえ

[参考]:
狂犬 トルストイ少年少女読本 外部リンク
米川正夫訳 河出書房
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2022年1月6日木曜日

赤い鳥第2巻第5号

赤い鳥02.05 大正8年(1919)5月
目次

赤い鳥02.05 大正8年(1919)5月

   「赤い鳥」五月号(第二巻第五号)
青い雨(表紙、石版刷) 清水良雄
西洋撫子(口絵、原色版) 清水良雄
かなりや(作曲) 成田為三
舌切雀(創作童謡) (2-3) 北原白秋
一本足の兵隊(童話) (4-13) 鈴木三重吉
唐傘のお土産(童話) (14-19) 江口渙
あしのうら(創作童謡) (20-21) 西條八十
白い鳥の話(童話) (22-27) 久保田万太郎
草木大合戦(童話) (28-33) 柚利淳一
子狐(童話) (34-35) 三宅周太郎
 耳長按摩(入選創作童謡) (28-33) 北原白秋選
 浅川春村 川上すみを 永井青果 児玉善遠 白井吉之助 森屋順
 耳長按摩(入選創作童謡) (38-41) 岸隆子 杉浦冷石 御手洗清 成田青穂 児玉角郎 稲熊桜陰 岩瀬英之助 田中白蝶 海野厚一 大野みつじ
 小栗鼠(推奨創作童謡) (36) 児玉善遠
 夕焼小焼(推奨創作童謡) (37) 山本康雄
七面鳥の踊(童話) (38-41) 鈴木三重吉
一郎次二郎次三郎次(童話) (42-47) 菊池寛
お玉杓子(創作童謡) (48) 小山内薫
女王さま(創作童謡) (49) 北原章子
源氏の旗あげ(童話) (50-55) 小島政二郎
お恒の方(童話) (56-61) 森田草平
物臭太郎(創作童謡) (62-63) 北原白秋
 運動場(入選綴方) (64-71) 鈴木三重吉選
 高田英之助 津田あやめ 城戸久 飯塚文雄 仲石つね 新原義雄 石井登美子 五味重郎 荻原浅男 宮崎敏郎 金澤佐市 藤田道雄 名手良一 柏? 北川勲 川崎清勝 深井吉之助 林えつ 畔柳つぎ 寺田かをる 磯部満治 真下松子
 韮の虫(入選自作童謡) (66-69) 北原白秋選
 小原たけし 久保澄雄 白江好郎 平田白朗 中村敬子 田端白羊
  少年少女(72-74)  通信(75-79)
  地方童謡(76-79)  社告(80)
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照
 
凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。
 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
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赤い鳥02.05p4-13童話『一本足の兵隊』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集03.07『一本足の兵隊』(デンマーク、アンデルセン作)
アンデルセン童話集『一本足の兵隊』 外部リンク

[出典]:
THE STEADFAST TIN-SOLDIER  外部リンク
THE Yellow Fairy Book EDITED BY ANDREW LANG 

注:三重吉はアンデルセン童話集からではなく、アンドルー・ラングのThe Yellow Fairy Book から訳したものと思われる。

[備考]:
赤い鳥03.01p75『通信』
 5月号青い雨の表紙やカーネイションの口絵には私の好きな五月の気分がすつきり現はれてゐるので、殊のほか嬉しく存じました。清水先生に篤くお礼を申上げます。鈴木先生の「一本足の兵隊」を読んで私は中学三年の時分にリーダーで Tin Soldier を読んだときのことを思ひ返しました。西條先生の「あしのうら」からは本当にいゝ感じを与へられました。私は三度も繰り返して読みました。かうして卒業試験に疲れてゐる私は、また新しい力を得てノートに向ひます。すべて「赤い鳥」に対して溢れるほどのお礼を申し上げるのに躊躇いたしません。(京都同志社、酒井義一)

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赤い鳥02.05p14-19童話『唐傘のお土産』江口渙
赤い鳥02.06p44-47童話『唐傘のお土産』江口渙

[類話]:
蝋燭喰(軽口浮瓢箪) 外部リンク
のどぼとけ:漫画と落語 久世勇三 著 霞亭会 大正5

日本昔話通観1106『ろうそく騒動』小澤俊夫 稲田 浩二 同朋舎出版

[参考]:
赤い鳥02.01『唐傘』p30-35[下段](童話) 徳田秋聲

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赤い鳥02.05p22-27童話『白い鳥の話』久保田万太郎
赤い鳥02.06p50-55童話『白い鳥の話』久保田万太郎
赤い鳥03.01p52-55童話『白い鳥の話』久保田万太郎

[出典]:
THE SIX SWANS  外部リンク
THE Yellow Fairy Book EDITED BY ANDREW LANG

[同話]:
グリム金田54『六羽の白鳥』49

[類話]:
Type 451 兄たちを探す娘。12人の兄弟は、烏に変えられる。
グリム金田011『十二人の兄弟』9
グリム金田028『七羽のからす』25
七羽烏 新御伽草子 巌谷小波 著 博文館 明25 外部リンク
日本昔話通観0179『白鳥の兄たち』小澤俊夫 稲田 浩二 同朋舎出版

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赤い鳥02.05p28-33童話『草木大合戦』柚利淳一
赤い鳥02.06p30-35童話『草木大合戦』柚利淳一

[同話]:
草木太平記 外部リンク
御伽草紙 藤井乙男 校 有朋堂書店 大正15

草木太平記 外部リンク
日本童話宝玉集.  下巻 楠山正雄 編 富山房 大正10-11

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赤い鳥02.05p34-35童話『子狐』三宅周太郎
鈴木三重吉童話全集01.19『子狐』(日本)

注:「子狐」は赤い鳥では、三宅周太郎の作品になっていますが、鈴木三重吉童話全集には、三重吉の作品として掲載されています。

[出典]:
野干の手柄 The Cub's Triumph. 外部リンク
日本昔噺第12号 Kate James(Mrs.T.H. James)明治19年(1886)

[日本昔噺第12号の出典]:
Der bestrafte Verrath des Tanuki  外部リンク
Japanische Märchen und Sagen
David Brauns  1885

 注:この話は2つの話から構成されている。

A.
日本昔話通観586『狐と狸の売りあい』
1.狐と狸が共謀し、狐が人間に化け、そら死にした狸を人間に売ってごちそうを買う。
2.狸が夜のまに逃げ帰り、二人でごちそうを食う。
3.つぎに狸が人間に化け、そら死にした狐を人間に売ってごちそうを買う。
4.人間は、今度は逃がさない、と狐をしばり、狐は殺されて食べられる。
<注>狸が裏切り、人間に「狐はそら死にする」と密告し、狸もそのあと食糧に困る、とする。

日本昔話名彙p149-150智慧のはたらき『狐と狢』 外部リンク
狐の魚売り 広島県 フジパン 民話の部屋 外部リンク

B.
日本昔話通観556『化けくらべ』 小澤俊夫 稲田 浩二 同朋舎出版
1.狐と狸が化けくらべをし、狐がぼた餅に化け、狸がそれを食おうとして負ける。
2.狸が狐に、大名行列に化ける、と予告すると、狐はやってきた大名行列に声をかけ、無礼討ちにあう。

日本昔話名彙p149智慧のはたらき『化けくらべ』 外部リンク

古典落語『質屋の蔵』の 「枕」部分

2022.6.4更新

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赤い鳥02.05p38-41童話『七面鳥の踊』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集03.16『七面鳥の踊』(北米土人)

[同話]:
The Rabbit and The Turkeys. 外部リンク
The Cegiha language : [the speech of the Omaha and Ponka tribes of the Siouan linguistic family of North American Indians] by Dorsey, James Owen

[類話]:
赤い鳥01.01p14-17童話『大いたち』鈴木三重吉
The Orphan and The Turkeys 外部リンク
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赤い鳥02.04p22-27童話『一郎次次郎次三郎次』菊池寛
赤い鳥02.05p42-47童話『一郎次二郎次三郎次』菊池寛
赤い鳥02.06p14-19童話『一郎次次郎次三郎次』菊池寛
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赤い鳥02.04p42-47童話『源氏の旗あげ』小島政二郎
赤い鳥02.05p50-55童話『源氏の旗あげ』小島政二郎
赤い鳥02.06p24-27童話『源氏の旗あげ』小島政二郎
赤い鳥03.01p28-33童話『源氏の旗あげ』小島政二郎
赤い鳥03.02p48-51童話『源氏の旗あげ』小島政次郎
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赤い鳥02.03p41-47童話『お恒の方』森田草平
赤い鳥02.04p58-63童話『お恒の方』森田草平
赤い鳥02.05p56-61童話『お恒の方』森田草平

2022年1月3日月曜日

赤い鳥第2巻第4号

赤い鳥02.04 大正8年(1919)4月
目次

赤い鳥02.04 大正8年(1919)4月

   「赤い鳥」四月号 (第二巻第四号)
さくら(表紙、石版刷) 清水良雄
まちぶせ(口絵、三色版) 清水良雄
あわて床屋(童謡) (2-3) 北原白秋
星の予言(長編童話) (4-13) 鈴木三重吉
小さな土産話(童話) (14-19) 島崎藤村
てる/\坊主(創作童謡) (20-21) 伊藤燁子
一郎次二郎次三郎次(童話) (22-27) 菊池寛
がらすの山(童話) (28-33) 丹野てい子
 赤い橇(入選創作童謡) (28-33) 北原白秋選
生駒狸秋 宮崎博  丘本鞜草 木村好邇  高橋敏春 山名正太郎  橘勝一 安中作一郎
   赤い橇(入選創作童謡) (36-41) 中島幸三郎 朝倉芳夫 橋本作一 河盛好蔵 櫻井ひろむ 中島国雄 多田園子 山崎真 青木とく二 矢作ふぢゐ 田島清
 土筆(推奨創作童謡) (34) 川上すみを
 かけす(推奨創作童謡) (35) 岡野栄一
ひッひッひ(創作童話) (36-41) 鈴木三重吉
源氏の旗あげ(童話) (42-47) 小島政二郎
弱虫(創作童話) (48-55) 伊藤英子
動物園(創作童謡) (56-57) 北原白秋
お恒の方(童話) (58-63) 森田草平
 ねずみ落し(入選綴方) (64-71) 鈴木三重吉選
 酒井愛吉 伊藤百代 内藤弁蔵 森下忠政 円城寺幸代 柴山兎司夫 松谷とみ子 尾関つるゑ 中村又吉 鈴木武男 室本みつえ 増田幸一 福田源一郎                
  少年少女 (72-74)
  綴方選外佳作 (73-74)
  通信 (75-79)
  地方童謡 (76-78)
  賛助読者名簿 (78-79)
  社告 (80)
さしゑ、飾り絵  清水良雄
         鈴木淳
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照
 
凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。
 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
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赤い鳥02.03p04-15『星の予言』(長篇童話)鈴木三重吉
赤い鳥02.04p04-13『星の予言』(長篇童話)鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集04.16『星のおつげ』(イタリイ)

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赤い鳥02.04p14-19『小さな土産話』(一,二,三)島崎藤村

一 兎と針鼠
注:グリムと同じ話だが、管見では、当時のグリム童話集の英訳本などには、この話は見当たらない。

[出典]:
The Race Between Hare and Hedgehog (English)  外部リンク
Tales of Laughter A THIRD FAIRY BOOK EDITED BY KATE DOUGLAS WIGGIN
AND NORA ARCHIBALD SMITH
注:(English)となっているが、(ドイツ)の誤り。

The Race Between the Hedgehog and the Hare 外部リンク
Translated from the Plattdütsch, by E.D.Butler
注:この話もグリムと同じだが、グリムの名はない。

グリム金田209『兎とハリネズミ』187
Type 275A* ハリネズミとウサギの競争。
Type 1074 ズルをして競争に勝つ。身内の援助。

[類話]:
鈴木三重吉童話全集01.25『かけつくら』(アフリカ土人)
ペリー版 イソップ寓話集649『シカとハリネズミとイノシシ』 外部リンク
日本昔話通観547『狐と虎の競争』小澤俊夫 稲田 浩二 同朋舎出版

二 苺

[参考]:
ナスレッディン・ホジャ物語『屁のごまかし』森正夫 編 東洋文庫

三 盲目の雀

[参考]:
THE BLIND SPARROW'S FRIEND 外部リンク
Lessons from Life (animal and Human)
A Compendium of Moral Teachings Illustrated by Curious and Interesting Habits, Relations, Instincts, Peculiarities, and Ministries of Living Creatures 1914

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赤い鳥02.04p22-27『一郎次次郎次三郎次』(童話)菊池寛
赤い鳥02.05p42-47『一郎次二郎次三郎次』(童話)菊池寛
赤い鳥02.06p14-19『一郎次次郎次三郎次』(童話)菊池寛

注:日本の話のようになっているが、西洋の昔話がベースになっているように思われる。

[参考]:
Type 653 技を身につけた四人兄弟
グリム金田139『三人兄弟』124
グリム金田144『名人四人兄弟』129
日本昔話通観247『難題婿--一芸の達人』
日本昔話通観248『難題婿--仕事の早技』
古典落語0355『三人兄弟』

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赤い鳥02.04p28-33『がらすの山』(童話)丹野てい子

[出典]:
The Glass Mountain [From the Polish. Kletke.]  外部リンク
THE Yellow Fairy Book EDITED BY ANDREW LANG

[同話]:
ガラスの山 (ポーランド) 外部リンク
童話の世界めぐり    樋口紅陽 訳   九段書房    大正11

Type 530 ガラス山の上のプリンセス
[類話]
グリム金田219『リンクランクじいさん』196

[備考]:
赤い鳥02.06p78『通信』
 創作童話と共に外国の童話の訳も募集されたら如何でせう。例へば三宅周太郎氏や丹野てい子氏が訳された "The Snow-daughter and the Fire-son" 又は "The Glass Mountain" の如くに訳出すれば非常に面白いと思ひます。(東京、A生)

注:A生 は、赤い鳥2.1『雪娘』三宅周太郎 と 赤い鳥2.4『がらすの山』丹野てい子 の英題を正確に記しているので、両者がアンドルー・ラングの翻訳であることを知っていたことになりますが、ラングについての言及はありません。思わせぶりにわざと書かなかったのか? それとも編集者が削ったのか? 興味深いところではあります。

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赤い鳥02.04p36-41『ひッひッひ』(創作童話)鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集05.33『小熊』(イギリス、アメリカ)
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赤い鳥02.04p42-47『源氏の旗あげ』(童話)小島政二郎
赤い鳥02.05p50-55『源氏の旗あげ』(童話)小島政二郎
赤い鳥02.06p24-27『源氏の旗あげ』(童話) 小島政二郎
赤い鳥03.01p28-33『源氏の旗あげ』(童話)小島政二郎
赤い鳥03.02p48-51『源氏の旗あげ』(童話)小島政次郎

[同話]:
殿下の乗合  外部リンク
新訳平家物語 渋川玄耳 著 金尾文淵堂 大正3
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赤い鳥02.03p41-47『お恒の方』(童話)森田草平
赤い鳥02.04p58-63『お恒の方』(童話)森田草平
赤い鳥02.05p56-61『お恒の方』(童話)森田草平

 

2022年1月1日土曜日

赤い鳥 第2巻第3号

赤い鳥02.03 大正8年(1919)3月

目次

赤い鳥02.03 大正8年(1919)3月

   「赤い鳥」三月号(第二巻三号)
紫の丘(表紙、石版刷) 清水良雄
めぐりあひ(口絵、三色版) 清水良雄
一羽の鳥は(童謡)2-3 北原白秋
蝶々(創作童謡)22-23 西條八十
世界同盟(創作童話)24-29 江口千代子
 水車(入選創作童謡)30-37 北原白秋選
  浅川春村 齋藤秀堯 田中白蝶 柴山直吉 水島窓月 平井泰太郎 石飛歩生 植田沙雀 小川喜太郎 永井青果 白江好郎 大月美津子 岸隆子 稲熊桜陰 白井吉之助
 青い実(推奨創作童謡)38 杉浦冷石
 朝(推奨創作童謡)40-41 山田藤三
 鼬と鼠(入選創作童話)40-41 河津健三
しぐれの歌(創作童謡)48-49 三木露風
鍛冶屋さん(童謡)62-63 北原白秋[台湾童謡]
盗人(童謡)62-63 北原白秋
 生蕃の話(入選綴方)64-71 鈴木三重吉選
  鈴木常司 平田四郎[平田日郎] 深谷恵子 吉岡義子 岡本信男 吉野信三 鈴木良亮 田中定二 瀧田梅雄 旦味盈 竹内二郎 堀江米市 仲石つね 桑名岬子 岩崎美好 村山栄次 中島堯子 木俣敏子 谷井省三 柴山兎司夫 福原鉄夫 岡田淑子 宮崎齋
 少年少女 72-74
 綴方選外佳作 72-74
 通信 75-79
 童話選外佳作 75
 賛助読者名簿 76-79
 社告 80
さしゑ、飾り絵 清水良雄・鈴木淳
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照

凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。
 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話に国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
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赤い鳥02.03p04-15長編童話『星の予言』鈴木三重吉
赤い鳥02.04p04-13長編童話『星の予言』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集04.16『星のおつげ』(イタリイ)
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赤い鳥02.03p16-21童話『うそ』久米正雄
 
[出典]:
MATEO FALCONE By Prosper Merimee  外部リンク
INTERNATIONAL SHORT STORIES 
FRENCH STORIES
By Various Authors Compiled By Francis J. Reynolds 1910

赤い鳥復刊03.05p06-17『父』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集08.20『父』(童話)(フロスペエル・メリメによる)

[参考文献]:赤い鳥研究 p166
『赤い鳥』と外国児童文学 ー 特に民話についてー 渡辺茂男   小峰書店
  
[備考]:
赤い鳥02.05p75-76『通信』
 久米さんの「うそ」は不愉快極まるお話です。こんな話は、甚だしく子供の真純を疵つけると思ひます。悪人をかくまつて、そしてその子を殺すやうな、そんな浅薄な任侠がこれまでどれ程日本人を毒したか知れません。(石川県大聖寺町錦城小学校、柳川重作)
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 久米さんに代つて愚見を申し上げます。これは、あなたの感銘の接受点が違ひはいたしませんか。「悪人をかくまつて、その子を殺」したわけではありません。かくまつたのは殺された子供自身です。殺した父は、子供の背信を憎んだのです。この憎しみは、父親が自己の任侠に対する対世間の安価な名誉を保持しようといふ、あなたが排斥なさる種類の憤恚の爆発ではなくて、子供に対する崇厳な愛そのものゝ高潮です。この父親は、自己の任侠の評判を保全する代りに子供を殺さなけらばならないなら、そのときだけ任侠を辞したかも分りません。私はこの一篇を任侠を教へる話としては取り扱ひ得ません。最も悲痛な対価を持つて子供に誠実の尊さを教へた、崇高そのものゝ記録として有り難い涙を催します。この話は仏国の名作家メリメの作篇「マテオ、ファルコオネ」を上手に日本化して童話にしたものです。この話を伝へる上に於て、何等の注釈的、説教的態度を取らずして、あれだけの印象を与へたのは、久米さん自身の芸術の価値です。あゝいふ単純な、即事実的な書き方をなさつたからこそ、あれだけの感銘が得られた訳です。久米さんのこの叙法を教訓の態度乃至教訓的記述の最有効な実例として、よく味読して下さることをお願ひいたします。(記者)

赤い鳥02.05『通信』p76-77
 三月号管見「星の予言」は実にすら/\と美しく出来てをります。併し私は西洋のものと同時に先生のご創作を望んで止みません。「うそ」は昔の話だからでもありませうが、罪人を隠すといふことはよくないことで児童教育のために面白くないと思ひます。「贋金つかひ」はよく書いてありますが、しまひがいかにも捏ねつけたやうでよく分りません。「世界同盟」は子供のうるはしい心がよく現はしてあります。よいお作と思ひます。「平気の平左」は幽霊が出たり又賭をしたりすることは、子供の清い心を汚しは致しませんか。(田舎の判任官)
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 あなたもよほど偏狭な見分をしてお出でのやうです。成程「罪人をかくまふ」とか「賭事をする」とかいふことは、それ自身を抽出して考へれば無論正しいことではないに極つてゐます。併し、あの二つの話を読んだつて、だれも罪人をかくまひたくなつたり賭けをしたくなつたりする気遣は少しもありません。化物を怖れないで、これ/\かうして見せたら何々をやるといふ位の賭がどうして不道徳でせう。これだけの事実が子供の射倖心をそそるに足るでせうか。「うそ」にしても、もつと/\ちがつた感銘をお受け取りにならなければ間違ひです。あなたの目についたやうなそんな点は、それが積極的に不道徳を教唆しない限りは、悉くエリミネイト(目に入れない)して読んで行くのが至当です。あなたの見方を極端に拡張すると、或話の冒頭に「或ところに、大変なうそつきがゐました。」といふ単にそれだけの記述があつても、我々はすぐに「イヤうそをつくのはよくないことだ、こんな事を書いては子供のためにならない」と言つて、その話の全たいが実は誠実を教へるよい話でも、頭から排斥しなければならない訳です。その他、どなたでしたか「お恒の方」の中に「あでやかに見えました」といふ一句があるのを摘出して、子供に向つて「あでやか」なぞといふ事実を語るのは有害だなぞといふ、下らない非難をして来た方があります。何といふ窮屈な思想でせう。子供にだつて美しいものは美しいのです。だれ/\はそれは/\きれいな方ですといふことが、どうして子供に有害であり得るでせう。もう少し物が分つていたゞかないと、大切な子供の教育がまるで表面的な死物になつてしまひは致しませんか。(記者) 

注:後に翻訳された、鈴木三重吉の「父」では、父親は子供を殺さなかったというように結末が改変されている。
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赤い鳥02.03p30-37童話『どんぐり小坊主』丹野てい子
鈴木三重吉童話全集04.38『どんぐり小ぼうず』(不明)

[出典]:
THE HAZEL-NUT CHILD (From the Bukowniaer. Von Wliolocki.) 外部リンク
THE YELLOW FAIRY BOOK EDITED BY ANDREW LANG

[同話]:
どんぐり小僧 外部リンク
3年生の童話 本地正輝 著[他] 金の星社 昭和5

[類話]:
Type 700 親指とトム。
TOM THUMB. 外部リンク
THE NATIONAL  NURSERY BOOK.

グリム金田042『おやゆびこぞう』37
グリム金田50『おやゆび太郎、修業の旅あるき』45
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赤い鳥02.03p41-47童話『お恒の方』森田草平
赤い鳥02.04p58-63童話『お恒の方』森田草平
赤い鳥02.05p56-61童話『お恒の方』森田草平
注:江戸時代の日本の話のように翻案されているが、西洋の昔話である。

[同話]:
デカメロン10.10『グリセルダ』
カンタベリー物語 学僧の物語(グリセルダの話)
ペロー童話集『グリゼリディス』
 
玉の輿(グリセルダの忍耐)   外部リンク
十日物語 : デカメロン ボッカッチオ 水野和一 訳 内外出版協会 明43.11(1910)
 
(2022.05.11更新)
 
[参考]:
Type 900 つぐみの髭の王様。
グリム金田057『つぐみのひげの王さま』52
Type707 三人の黄金の息子。
グリム金田109『三羽の小鳥』96

[備考]:
赤い鳥02.05『通信』p76-77
・・・・その他、どなたでしたか「お恒の方」の中に「あでやかに見えました」といふ一句があるのを摘出して、子供に向つて「あでやか」なぞといふ事実を語るのは有害だなぞといふ、下らない非難をして来た方があります。何といふ窮屈な思想でせう。子供にだつて美しいものは美しいのです。だれ/\はそれは/\きれいな方ですといふことが、どうして子供に有害であり得るでせう。もう少し物が分つていたゞかないと、大切な子供の教育がまるで表面的な死物になつてしまひは致しませんか。(記者) 
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赤い鳥02.03p50-55童話『贋金つかひ』小島政二郎
[参考] :
伊曽保物語1.30『商人かねをおとす公事の事』 外部リンク
沙石集6下11『正直之人宝得事』 外部リンク
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赤い鳥02.02p26-33『平気の平左』(童話)小山内薫
赤い鳥02.03p56-61『平気の平左』(童話)小山内薫