赤い鳥03.01 大正8年(1919)6月
目次
「赤い鳥」七月号(第三巻第一号)
水汲み(表紙、石版刷) 清水良雄
黄泉の国(口絵、油絵) 清水良雄
夏の鴬(曲譜) 成田為三
犬のお芝居(童謡) (2-3) 北原白秋
大きな星(少年少女劇) (4-13) 鈴木三重吉
落雷(童話) (14-19) 久米正雄
鉛筆の心(童謡) (20-21) 西條八十
新しい靴(童話) (23-25) 鈴木善太郎
お爺さんと三人の婿(童話) (26-27) 樋口やす子
源氏の旗あげ(童話) (28-33) 小島政二郎
女神の死(歴史童話) (34-41) 鈴木三重吉
夕やけ(入選創作童謡) (34-41) 北原白秋選
杉浦冷石 宮崎博 中村三郎 田中啓一路 佐々木博 武久照 大岡洋吉
高鍬重朝 千世 高梨菊二郎
蓮井玄英 川上すみを 北の人 池上喜代一 近藤九葉
牛の涎(推奨創作童謡) (42) 池上喜代一
雨(推奨創作童謡) (43) 大岡洋吉
桜の花(入選創作童話) (44-45) 館内伊佐美
赤い鸚鵡(推奨曲譜) (73) 栗原謹一郎
人くひ鬼(童話) (46-51) 二條絹子
白い鳥の話(童話) (52-55) 久保田万太郎
銀の御殿(童話) (56-59) 江口千代
米の水(童謡) (60-61) 北原白秋
蝉とり(入選綴方) (62-69) 鈴木三重吉選
前田八重雄 杉澤みゑ 向坂昂 入澤美枝 仁木光隆 廣瀬竹治 江木妙子 八木馨 北川勲 釜瀬虎雄 山崎正彦 与水直子[与(與) (興)の字とするものもある] 田内亀吉
ひよこさん(入選自作童謡) (64-67) 北原白秋選
田原三郎 大岡昇平 新井しん 田内亀吉 阿出川新次郎 椎木美代子
増岡すぎ子 稲光のるを
少年少女、地方童謡、通信、社告、総目次(70-80)
さし絵、飾り絵 清水良雄 鈴木淳
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[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
赤い鳥03.01p14-19童話『落雷』久米正雄
今昔物語9.31『震旦の柳の智感、冥途に至りて帰り来る語』
Type 1525J2=K345.2 泥棒はトリックスターにより、井戸に入るように促され、服を盗まれる。
赤い鳥03.01p26-27童話『おぢいさんと三人の婿』樋口やす子
鈴木三重吉童話全集04.31『おぢいさんと三人のむこ』(ロシア)
出典:The Sun, The Moon and Crow Crowson 外部リンク
Russian Folk-Tales by Alexander Nikolaevich Afanasyev,
translated
from the Russian, with introduction and notes, by Leonard A. Magnus.
類話:
赤い鳥05.02p4-15童話『赤いか、青いか』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集03.05『おぢいさんと小人』(デンマーク)
出典:I
Know what I Have Learned (From the Danish.) 外部リンク
THE PINK FAIRY BOOK By Various Edited by Andrew Lang
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赤い鳥02.04p42-47童話『源氏の旗あげ』小島政二郎
赤い鳥02.05p50-55童話『源氏の旗あげ』小島政二郎
赤い鳥02.06p24-27童話『源氏の旗あげ』
小島政二郎
赤い鳥03.01p28-33童話『源氏の旗あげ』小島政二郎
赤い鳥03.02p48-51童話『源氏の旗あげ』小島政次郎
赤い鳥03.01p46-51童話『人くひ鬼』二條絹子
出典:Andras Baive 外部リンク
[From Lapplandische Marchen, J. C. Poestion.]
THE
ORANGE FAIRY BOOK By Various Edited by Andrew Lang
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赤い鳥02.05p22-27童話『白い鳥の話』久保田万太郎
赤い鳥02.06p50-55童話『白い鳥の話』久保田万太郎
赤い鳥03.01p52-55童話『白い鳥の話』久保田万太郎
赤い鳥03.01p37入選創作童謡『木蓮』大岡洋吉
木蓮
東京 大岡洋吉
もう日がくれる、
春の日がくれる、
おうちの門に、
木蓮の木が二つ、
白い花つけて、
紫の花つけて、
もう日がくれる。
赤い鳥03.01p72 通信『募集童謡について』北原白秋
・・・武久君のは質実なものです。かういふ現実的な童謡もなくてはなりません。大岡君の「木蓮」はそれとはまた反対に神秘的なこう/``\しい感じを与へます。かういふのも必要です。
注:大岡洋吉は、大岡昇平の従兄。大岡昇平の文学の道標となった。Wikipedia
赤い鳥03.01p43推奨創作童謡『雨』大岡洋吉
雨 (推奨)
大岡洋吉
白(しイろ)い珠(たアま)、白(しろ)い珠(たま)、
雨(あアめ)の珠(たアま)、白(しろ)い珠(たま)。
電信線(でんしんせヱん)の路(みち)を、
つゞいて通(とほ)る。
まアるい/\提灯(ちようちん)に、
白(しイろ)い火(ひイ)を點(とオぼ)して、
雨(あアめ)の珠(たアま)の行列(ぎやうれつ)。
赤い鳥03.01p72通信『募集童謡について』北原白秋
募集童謡について 池上君の「牛の涎」は「蝸牛蝸牛角出せ槍出せ」といふ風の、短い童謡の一種ですが、如何にもあののろのろの真黒い大牛が涎を垂れてゆくやうです。首へ桶といふのも面白い。大岡君の「雨」は極めて感覚的で新味があります。そして観察が細かで感心します。以上二篇を今月は推奨します。その他今月は、どれも/\いゝできです。
・・・
子供諸君のでは・・・同じ賞の大岡君の「赤リボン」は音楽的で面白い。それにその調子がお姉さんのリボンを少々からかひ気味で笑つてゐるやうです。
注:大岡君の「赤リボン」は、大岡昇平の作品。
赤い鳥03.01p72通信『ゴッホの太陽』竹久夢二
私の子供が「赤い鳥」の童謡を読んで、自分でも次のやうな謡を作り、出たらめの節で謡つてをります。(竹久夢二)
「ゴツホの太陽、
くる/\まはれ、
ゴツホの太陽、
パゝの路が乾くやうに。」
「野中の石に鳥が三羽とまつた。
一羽飛んだ、
二羽飛んだ、
三羽とんだ。
野中の石が、しよんぼり一つ残つた。」
「雨の降る日に芋虫は、
蓑虫とこへ蓑借りに、
たのんで見たが貸さなんだ。
天気のよい日に蓑虫は、
芋虫とこへ芋の葉を、
借りに行つたが貸さなんだ。」