2022年6月19日日曜日

赤い鳥第4巻第3号

赤い鳥04.03 大正9年(1920)3月1日発行 大正9年7日印刷納本
目次


 「赤い鳥」三月号(第四巻第三号)
うらゝか(表紙) 金の王女(口絵) 清水良雄
 お友達(口絵、推奨自由画) 宮崎正雄
 小山(口絵、推奨自由画) 牧内つね
ねんなのお鳩(曲譜) 成田為三
 鶩の小屋(推奨曲譜) 飯田紅於
わたしの家(童謡) (2) 北原白秋
唖の王子(歴史童話) (4) 鈴木三重吉
お猿の仇討(童話) (14) 江口渙
狐の智慧(童話) (20) 野上豊一郎
指輪の王子(童話) (26) 久保田万太郎
烏の手紙(童話) (30) 西條八十
四人の鬼の話(童話) (33) 水島爾保市
金糸鳥物語(童話) (38) 鈴木三重吉

 手まり(童謡、北原白秋) (38) 安田趙生 紀美代子
 高山蓑水 北原麗二
 児玉善遠 桑名晴葉
 川上すみを 武田雪夫
 中山耕一郎 加田愛咲
 永井巡礼 新井津芳
 三木半丈 萩野管一
 養老碧露 都築益世
 蒼樹柳之助 宮崎博

 ねずみの巣(推奨童謡) (48) 羽室長靖
 山火事(推奨童謡) (49) 桐野信吉
 櫨の木(入選童話) (50) 武久照子
女王様の馬(童話) (54) 茅野蕭々
いたづら人形(童話) (58) 佐藤春夫
桃太郎(童謡) (64) 柳澤健
狐の片耳(童話) (66) 伊藤英子
宮本武蔵と勇少年(童話) (72) 菊池寛
ねんねこうた(童謡) (78) 北原白秋
 馬鹿力(伝説) (80) 鈴木三重吉選
 地方童謡 (82) 北原白秋選
 各地遊戯 (82) 鈴木三重吉選

 銀のお人形(童謡、北原白秋選) (84) 鈴木栄 萩原喜太郎
 近藤治雄 宮崎満房
 神田満藏 山本博子
 矢野国雄 河合富美
 井之上優 山本孝二
 師橋英徳 大岡昇平
 宮下重治

 自由画(山本鼎選) (87) 小杉源晴 池内喜義
 矢島はな 不詳
 
 けいば(綴方、鈴木三重吉選) (86) 伊藤新一 中村長左衛門
 西澤武喜 溝口龍義
 清水篤二 菊池ちう
 吉原繁 城戸久
 下吹越太吉 吹留栄次
 有村岩吉 加藤佐久治
 西村伊一 池上栄
 頼光志津 武尾健藏
 
 通信 (94)
 綴方研究 (96) 鈴木三重吉
装画、さし絵 清水良雄
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照
 
凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。

 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。

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赤い鳥04.03p14-19童話『お猿の仇討』江口渙

出典:
古今犬著聞集9巻23『猿己か子の敵を取事』 外部リンク

類話:
今昔物語29.35『鎮西猿打殺鷲為報恩与恩語』外部リンク

日本昔話通観392『猿とさざえの報恩』

日本の昔話『猿正宗』柳田国男  外部リンク

参考:
木の葉の小判 p3標題 
赤い鳥の本 10 江口渙 赤い鳥社 大正11
「お猿の仇討」は犬著聞集、「蜂と山賊」は今昔物語、「天狗と少女」は三国伝記といふ本から、材料を取つたものである。原話とは多少趣が異つてゐるのはいふまでもない。

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赤い鳥04.03p20-25童話『狐の智慧』野上豊一郎

出典:狂言 釣狐

釣狐  外部リンク
和泉流狂言大成. 第4巻  著者:山脇和泉  出版:わんや江島伊兵衛

注:関栄司氏の「野上豊一郎博士著作目録」には、「ボビノが王様になつた話(1巻5号)」「灰色の小人(2巻2号)」「猫を殺した話(3巻3号)」は載っているのですが、「狐の智慧」と「阿三郎の仇討(6巻4号)」が抜けています。「狐の智慧」は、狂言の「釣狐」を子ども向けに翻案したものですから、野上の能楽関連著作として重要なもののように思われます。
 また、「狐の智慧」は、「赤い鳥事典p203」に載っていますが、狂言の関連については言及されていませんでした。

野上豊一郎博士著作目録  外部リンク
法政大学学術機関リポジトリ 関 栄司
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赤い鳥03.03p11-15『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥03.04p24-29『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥03.05p54-59『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥04.02p26-29『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥04.03p26-29『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
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赤い鳥04.01p04-13長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.02p04-13長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.03p38-47長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.04p28-33長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.05p74-77長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
童話全集03.38『かなりや物語』(フランス)
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赤い鳥04.02p42-47童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.03p58-63童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.04p36-43童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.05p42-49童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.06p42-49童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥05.01p52-59童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥05.02p42-49童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥05.03p46-53童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
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赤い鳥04.03p72-77童話『宮本武蔵と勇少年』菊池寛

宮本武蔵と勇少年  外部リンク
三人兄弟 菊池寛 著 赤い鳥社 大正10

出典:二天一流(宮本武蔵の事蹟)  外部リンク
少年史談. 第1編 池辺藤園 著 文成社 明45.3

注: 池辺の「二天一流」は、宮本武蔵遺蹟顕彰会 編 「宮本武蔵」を基にしているようです。

宮本武蔵  外部リンク
宮本武蔵遺蹟顕彰会 編 (金港堂書籍, 1909)

注:菊池寛の「宮本武蔵と勇少年」は、池辺藤園の「二天一流」を基に、宮本武蔵遺蹟顕彰会「宮本武蔵」も参照して書かれたように思われます。

参考:
二天記 著者:豊田景英  外部リンク

二天記 (翻刻)  外部リンク
肥後文献叢書. 第2巻 武藤厳男 等編 隆文館 明42-43


2022年6月14日火曜日

赤い鳥第4巻第2号

赤い鳥04.02 大正9年(1920)2月1日発行 大正9年(1920)1月3日印刷納本
目次

  「赤い鳥」二月号(第四巻第二号)
 雪すべり(表紙、石版) 清水良雄
 かなりや(口絵、水絵) 清水良雄
 自由画(口絵、写真) 山本鼎選
山の母(曲譜) 山田耕筰
かやの実(童謡) (2) 北原白秋
金糸鳥物語(童話) (4) 鈴木三重吉
海賊船(童話) (14) 小島政二郎
夕暮(童謡) (18) 柳澤健
星の子(童話) (20) 本間久雄
指輪の王子(童話) (26) 久保田万太郎
小さな摩以亜(童話) (30) 鈴木三重吉

 小豆の兵隊(入選童謡) (30) 北原白秋選
 武田雪夫 堀井増次郎
 岡澤昭子 川田吉衛
 中山次二 竹村かづを
 池田格次郎 納谷三千男
 黒津敏行 牛田嫩花
 近藤九葉 千葉青花
 五味梨雪
 
 奈々ちやん(入選童話) (38) 藤浪音よ
 子供を叱つた家(推奨童謡) (40) 桑名晴葉
 耳のかけつこ(推奨童謡) (41) 野村清三
いたづら人形の冒険(童話) (42) 佐藤春夫
女王様の馬(童話) (48) 茅野蕭々
春の日(童謡) (52) 西條八十
あひる(童話) (54) 久米正雄
赤い盾、黒い縦(歴史童話) (60) 鈴木三重吉
お靴の中に(童謡) (64) 北原白秋

 鼠の芸当(模範綴方) (66) 鈴木三重吉選
 赤羽満雄 堀喬子
 的場義一 倉橋すゞ子
 近藤治雄 鈴木きよ
 福田源一郎 森田朝子
 古川綾子 小野吉太郎
 向井羊吉 山口薫
 佐々木きみ
 
 子供の汽車(少年入選童謡) (68) 北原白秋選
 友野代三 早川午佐久
 永田金三 渡邊四郎
 兼谷愛 円城寺幸世
 狩野政治郎 原田勝
 岩佐東一郎
 
 地方童謡、遊戯、綴方研究 (74)
さし絵、飾り絵 清水良雄
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照
 
凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。
 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。
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赤い鳥04.01p04-13長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.02p04-13長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.03p38-47長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.04p28-33長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.05p74-77長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
童話全集03.38『かなりや物語』(フランス)

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赤い鳥04.02p14-17童話『海賊船』小島政二郎

出典:古今著聞集 巻第十二 偸盜 第十九
435 正上座といふ弓の上手 外部リンク
橘成季 著[他] 有朋堂書店 大正11
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赤い鳥03.06p18-21童話『星の子』本間久雄
赤い鳥04.02p20-25童話『星の子』本間久雄

出典:The Star-Child 外部リンク
A HOUSE OF POMEGRANATES BY OSCAR WILDE.

参考文献:赤い鳥事典p293『オスカー・ワイルドと"The Star-Child"』『「星の子供」から「星の子」へ』
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赤い鳥03.03p11-15『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥03.04p24-29『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥03.05p54-59『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥04.02p26-29『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
赤い鳥04.03p26-29『指輪の王子』(童話)久保田万太郎
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赤い鳥03.05p26-35童話『摩以亜物語』鈴木三重吉
赤い鳥03.06p28-35童話『摩以亜物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.02p30-37童話『小さな摩以亜』鈴木三重吉
鈴木三重吉童話全集02.40『マイアの冒険』(デンマーク、アンデルセン作)
アンデルセン童話集『マイアの冒険』 外部リンク
鈴木三重吉 訳   清水良雄 絵   アルス  昭和2(1927)

注:この話はアンデルセンの「Thumbelina」の翻訳ではなく、アンドルー・ラングの「THE STRANGE ADVENTURES OF LITTLE MAIA」の翻訳である。
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赤い鳥04.02p42-47童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.03p58-63童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.04p36-43童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.05p42-49童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥04.06p42-49童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥05.01p52-59童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥05.02p42-49童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫
赤い鳥05.03p46-53童話『いたづら人形の冒険』佐藤春夫

出典:PINOCCHIO 外部リンク
Carlo Collodi
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赤い鳥04.02p54-59童話『あひる』久米正雄
鈴木三重吉童話全集01.17『あひるの王子』(フランス)

注:「あひる」は赤い鳥では、久米正雄の翻訳になっていますが、鈴木三重吉童話全集には、三重吉の作品として掲載されています。

出典: DRAKESTAIL (Contes of Ch. Marelles. )  外部リンク
The Red Fairy Book Edited by Andrew Lang

Bout-d’-Canard 外部リンク
Affenschwanz et Cetera
by Charles Marelle 1888

Type715 (Demi-coq 半分のオンドリ) 半分のオンドリは、ウマ、雄ウシ、etc.とともに置かれる。動物たちは、半分のひよこを助ける(クマ、オオカミ、etc)に食われる。

スペイン民話集73『半分ひよこ』
フランス民話集37『小さな雄鶏』

類話:THE HALF-CHICK  外部リンク
THE GREEN FAIRY BOOK By Various Edited by Andrew Lang

注:ラングのThe Red Fairy Book の中から、長編は「THE ENCHANTED CANARY(金糸鳥物語)」。短編は「DRAKESTAIL(あひる)」が翻訳されています。これは、ラングのThe Olive Fairy Book の中から、長編は「THE STRANGE ADVENTURES OF LITTLE MAIA(摩以亜物語)」。短編は「DIAMOND CUT DIAMOND(泥棒)」が翻訳されているのとパターンが同じです。 よって、「あひる」が三重吉の翻訳とするならば、「泥棒」も三重吉の翻訳の可能性が考えられます。

2022年6月10日金曜日

赤い鳥第4巻第1号

赤い鳥04.01 大正9年(1920)1月1日発行 大正8年(1919)12月3日印刷納本
目次

「赤い鳥」一月号(第四巻第一号)
 花つなぎ(表紙、石版) 清水良雄
 七姫(口絵、油絵) 清水良雄
 自由画(口絵、写真) 山本鼎 選
芒(曲譜) 成田為三
 団栗(推奨曲譜) 加藤照顕
雪のふる夜 (二) 北原白秋
金糸鳥物語(童話) (四) 鈴木三重吉
鈴子さんのお母様 (一四) 有島生馬
玩具の舟(童謡) (二二) 西條八十
コケコツコー(童話) (二四) 島崎藤村
毒の大熊(歴史童話) (二八) 鈴木三重吉

 新兵さん(入選童謡) (二八) 北原白秋 選
 松中三郎 野村清三
 豊永次郎 半田嫩花
 川上すみを 冬木玉太郎
 佐野与 佐々木博
 植田その子 納谷三千男
 伊谷しろ人 前田考受
 近藤東  田澤新
 徳安一郎 井上はじめ
 綾小路草夫 小野朗子
 近藤九葉 児島善遠
 八木しげき
 
 小鳥の酒場(推奨童謡) (三八) 桑名晴葉
酔つぱらひ星(童話) (四〇) 小川未明
女王様の馬(童話) (四六) 茅野蕭々
冬(童謡) (五○) 柳澤健
魔術(童話) (五二) 芥川龍之介
緑のお家(童謡) (六二) 北原白秋
 暴れ馬(模範綴方) (六四) 鈴木三重吉選
 川手よね 帆足信子
 平井功 伊藤文子
 田中喜一 浅井雪子
 都築鎗太郎 木俣修二
 大塚いきの 横江継子
 渡邊岩子 大西のし

 三つの星(入選童謡) (六六) 北原白秋選
 上林義郎 川手よね
 吉野雪江 金田平八
 岡義忠 岩佐東一郎
 星野義任 根岸発四蔵
 阿出川進次郎
 
 河童の謡(地方伝説) (七二) 鈴木三重吉 <河童の謡><人年貢>
  通信、地方童謡、各地遊戯 (七四)
 さし絵、飾り絵 清水良雄
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それぞれの話の出典・同話・類話・参照
 
凡例:
[出典]:出典元と思われる話。
[同話]:同じ話ではあるが、出典元かどうかはわからない。
[類話]:プロットやモチーフが似ている話。民話の場合、各国に類似する話が多数ある。
[参照]:モチーフの一部やプロットの一部、題名が似ているなど。

 
「鈴木三重吉童話全集」の付言にはそれぞれの話の国名が書かれている。それを( )内に表記した。しかし実際の国名と合わないこともある。

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赤い鳥04.01p04-13長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.02p04-13長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.03p38-47長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.04p28-33長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
赤い鳥04.05p74-77長編童話『金糸鳥物語』鈴木三重吉
童話全集03.38『かなりや物語』(フランス)

出典:THE ENCHANTED CANARY  外部リンク
(Charles Deulin, Contes du Roi Gambrinus. )
The Red Fairy Book Edited by Andrew Lang
注:Gambrinus [Cambrinus]の誤り

DÉSIRÉ D AMOUR  外部リンク
Contes du roi Cambrinus
Charles Deulin · 1874

類話:Type 408 三つのオレンジ。オレンジのお姫さまの探求。間違いの花嫁。

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赤い鳥04.01p72地方伝説その五08『河童の謡』浅香邦水

河童の謡(地方伝説その五)
  鈴木三重吉選
(八)河童の謡 昔上野(かうづけ)の或村の名主に兵庫といふ大層馬の上手な人がをりました。当時江戸表に競馬会があつた時、馬の尾へ一疋の絹をくゝりつけて走つて、名誉の一等賞を取つた程の名人でした。この人が或時村から遠乗りに出かけた帰りに、村のそばの或森蔭の川のところまで来ましたが、生憎そこいらには橋がないものですから、兵庫は馬諸共に、青い深い水の中へドブンと飛び込んで、ざぶざぶと川の中程まで乗切つてまゐりました。
 すると不意に何ものかゞひよこりと馬の尾へ取ツつかまりました。馬は驚いて水の中へ棒立ちになりました。兵庫は危(あやふ)く振り落されるところをやつと踏みこたへて、岸へ乗り上げた上、よく見ますと、馬の尾に大きな河童の奴が取つ付いてゐるのです。大抵のものならびつくりして度を失ふところですが、さすがに兵庫はびくともしないで、それなりぴゆうと馬を飛ばして帰りました。
 河童の奴は、もと/\たゞ悪戯に馬の尾にぶら下つて見たのですが、乗り手がどツと走り出したので、とう/\手を離す閑がなくてそれなりぴゆう/\引きづられて行き、とうとう兵庫の家(うち)の庭まで来て、泥まぶれのまゝばたりとぶつ倒れてしまひました。兵庫は家の人たちを呼んで、手早くその河童を縛り上げてしまひました。河童は水の中でこそ大威張りで人の腸(はらわた)をぬき取つたりしましたが、かうなつてはどうすることも出来ません。丁度野良がへりの村人は、これを聞くとわい/\見物に来て、兵庫の家の庭は黒山のやうに人が集(たか)りました。皆(みんな)はこれを聞くと「何だこの河童奴(め)。おらたちが名主さアのお乗り馬い喰つ付きやがつて畜生、勘弁なんねえ」と結局撲ち殺してしまふことにきめました。
 河童は青くなつて「どうも悪いことをいたしまして、申わけもございません。これからは決して悪戯は致しませんから、どうぞ命だけはお助け下さいまし。その代りお礼としてお魚を取つてまゐりますから」と兵庫に向つてさん/"\あやまりましたので名主も可哀さうになつて許してやりました。翌(あく)る朝になつて見ますと、その辺で半切と言つてゐる低い樽の中へ、川魚(かはうを)がたつた一匹入れてありました。それからは兵庫が馬に乗つて例の川のほとりを通りますと、きつと青く澄んだ川の中から河童が変な声でこんな謡を謡ひました。
 「いぢり焼きの兵庫殿、
  せゝり焼きの兵庫殿、
  私(わし)を助けたその功(かひ)にや、
  大作小作は皆実る、
  お家(いへ)は重代御大尽、
  お村はいつまで豊作ぢや、
  いぢり焼きの兵庫殿、
  せゝり焼きの兵庫殿。」と
 これは上州多野郡上野村の伝説です。その辺では生の玉蜀黍を恩灰(ぬくはひ)の上に転がして焼いて食べますが、今までも村の人はその玉蜀黍を焼くときにこの謡を謡ひます。名主の兵庫といふのは、実は私の祖父の祖父でした。(東京府下、王子田端九、浅香邦水報)
 
類話:
赤い鳥復刊03.06p36-43伝説『河童』堀歌子

日本昔話通観378『河童の魚』
①子供姿の河童が馬を淵へ引きこもうとするが、逆に馬は河童を引きずって帰る。
②河童は主人に詫び、証文を書いて許され、毎朝木の鉤に魚をかけて届ける。
③妻が欲を出して鉤を鉄製に変えると、魚は届けられなくなる。

Type47C=K1022.2
牛の角に繋がれた狼。

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赤い鳥04.01p72-73地方伝説その五09『人年貢』岩本賢雄

(九)人年貢 私(わたくし)どもの村の人里はなれた山河(やまかは)といふところに氏神様があります。いつのことですか、づつとの大昔には、この氏神様に年に一度づつ若い娘を人年貢に上げるのが極りになつてゐたさうです。ある年、村の作之助といふものゝ家(うち)へ、その順番があたりました。愈その日になりましと、作之助夫婦は娘を真中にすゑて、朝からおい/\泣き続けてをりました。その内に時刻が来ますと村の頭の人のところから、人年貢を入れ木箱が来ました。双親(ふたおや)は、泣き/\その中へ娘を入れて、氏神様へ担いで行かうとしますと、ふと一人の山伏がそこを通りかゝりました。山伏はそれをお葬(とむら)ひだと思つて見てゐましたが、よく聞いて見ると娘を人年貢につれて行くのだといふので、驚いて「世の中にそんな馬鹿げた話があるものか。氏神さまともあるものが氏子を取つて食ふといふ法がどこにあらう。くつと相手は魔物にちがひない。おれが見極めてくるから任しておけ。ともかく、その箱は中の人が出られないやうに堅く蓋をうちつけておいてくれ」と言ひました。作之助夫婦は大喜びで、すぐに釘を打ちつけて、その儘氏神さまのお社へおいて来ました。山伏は社の天井に隠れて待つてをりました。すると真夜中になりますと、どこからともなく一匹の化物が現れて「このことばかりは赤岩の、金太郎小僧にや内々々。このことばかりは赤岩の、金太郎小僧にや内々々」と謡ひながら出て来ました。そして恐しい目を光らせて、木箱の蓋を取らうとしますと、中々開かないものですから、うウ/\怒りながらその箱のまはりを駈け廻つてをりました。その内に、白々と夜が明けかけたので、化物はとうとうこそ/\と遁げ出しました。
 山伏は化物が謡つた歌を考へて「金太郎には内々々だ」といふからには、その金太郎といふ人を余程恐れてゐるらしい。だからその人に退治させれば一番世話がないと思ひまして、夫婦にその話をしました。赤岩といふのは私(わたくし)どもの村と千曲川を一筋隔てた、高社山麓(かうしやさんろく)にある村です。山伏はその村へ出かけて金太郎といふ人を探しましたが、だれも一向知らないと言ひました。すると最後に或茶店のものが、それはそこに寝てゐる犬のことでせう、それ、その犬が金太郎といふのだと教へてくれました。山伏は成程と早速その犬をつれ帰つて、例の木箱の中へ娘の代りにその犬を入れて社へ持ち込みました。化物は真夜中になると「このことばかりは赤岩の」謡ひながら、のこ/\出て来ました。そして箱の蓋を開けますと、金太郎はわツと飛び出して、勢鋭く喰つてかゝり、その化物と一しよにころ/\転り転つて噛み合ひました。その内にそのはげしい物音も静まつて段々と夜が明けましたので山伏は天井から下りて見ますと、犬はその場に倒れて苦しさうに息をしてゐましたが間もなくそれなり死んでしまひました。あたりを見ると生臭い血がぽと/\落ちてゐます。その血をどこまでもたどつて行くと山河の谷間へ来ました。見るとそこには大きな大狸が血塗れになつて倒れてをりました。山伏はその狸にとゞめを刺して帰つて来たといふことです。今この氏神は、里宮の方が賑やかで、もとのお社には、石の塔がさびしく立つてゐるばかりです。(長野県下水内郡秋津村 岩本賢雄報)

類話:
日本昔話名彙p94厄難克服『猿神退治』 外部リンク
日本昔話通観275A『猿神退治--犬援助型』
捜神記巻19.440『大蛇を退治した娘』

今昔物語26.07『美作国神依猟師謀止生贄語』 外部リンク
今昔物語26.08『飛騨国猿神止生贄語』 外部リンク
今昔物語10.33『立生贄国王止此平国語』外部リンク
史記 巻126 滑稽列伝
蒙求 巻下 西門投巫